オキシトシンの新たな見解(定活ホルモン?)

「オキシトシン」という脳内物質は、別名愛情ホルモンと言われるほど、人とのつながり、絆、やすらぎ、癒しを感じる物質です。

 

人が抱き合ったり、動物と触れ合ったり、赤ちゃんに接していたりするとオキシトシンは出やすくなります。 放出されると何ともいい気持ちになり幸せを感じます。

 

以前「ためしてガッテン」の街頭実験を見たことがあります。 

街頭に人が2人入れるほどの囲いをカーテンで作り、カップルや夫婦、女友だち同士にお願いして5分間互いに抱き合ってもらい、その後にオキシトシン濃度を測るというものです。抱き合う前に測ったより、かなり高い値になっていました。インタビューしたところ女友だち同士でさえ、凄く仲良くなった気持ちになったということでした。

 

抱き合うだけでなく、手を握ったり、何かに触れたり、花を見たり、人に親切にしたり、何かに感謝したり、動物に触れたり、このようにすることで幸せな気持ちになると言われています。

 

人に親切にすると、相手は喜んでくれるのはもちろんですが、自分自身も幸せな気持ちになるとも言われています。

 

こうしたオキシトシンですが、自ら動いてみよう、誰かと話してみようという、やる気につながる動機付け、モチベーションが生まれる、との研究報告が出てきたのです。

オキシトシンがドパミン的な役割を持つ、というものです。

 

「セラピードック」という犬がいます。

高齢者が癒され、元気になってもらうため訓練を受けた犬です。

犬と見つめ合うだけでオキシトシンが出てきて高齢者は癒されるのですが、最近の研究では、犬と触れ合うことで、動きのない高齢者が、何とか動いてみようと思ったり、無口な高齢者が誰かと話してみようと思ったりする、と言われています。

 

これはオキシトシンがモチベーションを引き出すという貴重な報告です。

 

サラリーマン現役時代は激しい競争世界の中にいてドパミン放出する機会が多かったと思います。

しかし定年後はいままであまり意識していなかった「オキシトシン」に注目して、意識的に分泌させることで、まわりの方からは嫌われることなく、円満に物事が進み加えてやる気にもつながるなら良いことづくめです。

 

生物的には孫をかわいく思ったり、人に優しく親切にすることに抵抗がなくなったりするのも、オキシトシン分泌によるシニアならではの強みでしょう。

 

定年後は意識してオキシトシンを分泌するようにしましょう。