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国を背負わない、順位にとらわれないオリンピック

昨日のブログで、スケートボード女子の選手たちは順位にこだわらないで、より難しい技にチャレンジすることを目指しているという記事を書きました。

今日は、そこに国を代表してという意識があまりないことを書きたいと思います。

 

スケートボードパークで岡本選手は大技を出さないとメダルに届かない最後の演技で、果敢に難しい大技に挑みました。結果は失敗して4位に、メダルを逃しました。

 

競技が終わってのインタビューで「大技に挑んだのは、やはり金メダルを狙ったからですか?」との記者からの質問。

 

そこで岡本選手は「目標は金メダルではなく、自分のルーティンをすることでした」と答える。

 

ココには明らかに2つの違和感がありました。

1つはメダルにこだわっていないということ。つまり国の意識があまりない。選手はプロツアーでも個人で参加しています。また多くの選手はアメリカで滑っています。アメリカの市民権を持っている選手もいます。東京五輪出場のため祖父母のルーツがある国の代表になった選手もいる。国のこだわりがないのです。

いつも一緒に滑っている選手がどこの国かわからないのは普通らしいです。

 

2つ目は自分のルーティンをするという言葉から、大切なことはこのチャレンジするという考え方はいつも持っていることで、こうしてチャレンジすること、そしてそれをクリアすることを何より尊いこととして考えているがわかってきます。

 

大会である選手が大技に挑んで失敗した。失敗しても他の選手が、もう一度と促す。観客も一緒になって呼応する。

その選手は出来るまで何回もチャレンジする。

5度目に成功すると、他の選手や観客は優勝者よりも多くの拍手を送る。

その間、競技は中断しているし、オフィシャルもそれを止めない。

まさにチャレンジすることに誰もが重きを置いているのです。

そして何より驚かせるのはこれが美談ではなく普通だということ。

 

岡本選手の質問に対する答えは、今までの常識を覆す。国を背負わない、順位にとらわれないことを象徴しています。

 

 

こうしたスケートボード、サーフィン、BMXフリースタイルなどいわゆるエクストリームスポーツからうまれた発想が、オリンピックという舞台でまさに表舞台にたった瞬間だったのでないでしょうか。