人の役に立つことがkeywordか?

オリンピックも終わり、多くのボランティアの方がオリンピック運営に関わってこられました。いろいろな思いから参加されたことと思いますが、やはり役に立ちたい、という思いが強かったのではないでしょうか。

 

シニアの方が定年活動をする際に、収入が気になる、この先年金だけでは心もとない、と考える方は多いことと思います。

 

しかしその心配がそれほど気にならなくなってしまう人物がおられるのです。

 

皆さん覚えておられると思いますが、20188月に、山口県周防大島町で行方不明になった2歳児をわずか30分で見つけ出したことで有名になった、尾畠春夫さんです。

彼は日本全国の被災地でボランティア活動をしていることから、「スーパーボランティア」とも呼ばれています。

 

彼は当時78歳で現在81歳のお年です。にもかかわらず、外見は体力があって元気でフットワークがいい。本当に信じられないです。

 

そんな彼も小学校の時に母親を亡くし、農家に丁稚奉公に出され、15歳から魚市場で修行。20代半ばで、上京しとび職をやってためたお金で鮮魚店を開業されました。そして65歳の時に未練なく店をたたみ、ボランティア活動を始めました。

2011年の東日本震災では南三陸町に500日滞在されたそうです。

 

収入は毎月55000円の国民年金のみ。そのお金で生活のすべてをまかなっていました。

「ボランティア活動は相手に一切負担を書けないのが原則」として、受け取るのは差し入れの弁当ぐらいらしいです。

どうしてこの収入で、後期高齢者の彼は、ボランティア活動をするのでしょうか?

 

ここに一つの研究があります。アメリカのNIH(国際衛星研究所)の一つ、NIA(国立エイジング研究所)の初代所長で、心理学者のコーエンが実施した退職者インタビューです。

 

「あなたにとって、人生の意味や目的を感じさせてくれるものは何ですか?」との質問に対して、あらゆる人が「他人の役に立つこと」と答えたということです。

収入、人種、文化的背景に関係なく、同じ答えだったようです。

 

シニアの年齢になってくると、若い時にない考えが生まれます、価値観の変化が起こり、何か恩返しをしたい、人の役に立ちたい、という思いが強くなってきていることを感じます。

加えて、人から褒められる機会も少ないので、人のために何かをすることで人から感謝されることが人一倍嬉しいものです。

 

お金の心配をする前に、人の役に立つことを考える、スーパーボランティアの尾畠春夫さんのように、それに徹することで、そうではない自分では想像がつかない幸せを感じることが出来るのかもしれません。

 

 

実はそれが幸せになる近道なのかもしれませんね。