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お坊さんというキャリア

813日~15日とお盆でお寺の住職も忙しい日々です。今年はコロナ禍の中なので、いつもと違うようですが。

 

私が20代の頃、仕事で病院の副薬剤部長を訪問した際に、先生からどういうキッカケか覚えていませんが、「定年退職した時には、資格を取ってお坊さんになり、檀家さんの悩みを聞きながら生きていきたい」と言われたのです。

 

その時はそんなことを考えているんだと驚きましたが、いま考えてみると、いつも薬を通して病気に接しておられたので、シニアになられたときには人の悩み、心の病気に接していきたいと思われたのも、良い選択だったんだなと思います。

 

定年退職後にどのような仕事をするか考えるときに、2つの思いが隠されているのかもしれません。

 

一つは、仕事を通じて心の中で大切にしてきた思い

一つは、人のために何か貢献したいという思い

 

若い人が転職を考えるときは、より収入がいい所、より自分の能力が生かせる所が選択基準になると思いますが、シニアの場合、定年退職後は、若い時と違う基準があるのでしょうね。

 

副薬剤部長が思われたように、サラリーマンが定年退職後に仏門に入られるケースは多くなってきたと思います。

築地にある、浄土真宗築地本願寺には銀行から転身して宗務長になられた安永雄玄さんがおられます。銀行やコンサルタントの経験をかわれて築地本願寺の改革に取り組まれています。サラリーマン時代の経験が異分野での活動に生きたケースでしょう。

 

実際、お坊さんになるには、宗派によって異なりますが、大学、専門学校、通信学校などで勉強した後、経験を積んで得度すれば、基本的には誰でもなれます。

 

大切なのは、副薬剤部長のように、心からの思いなのでしょうね。

 

シニアのセカンドキャリアは視野を広げれば、自分に合った考えもしないものが見つかるかもしれませんね。