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気持ちが通ずることからスタートする

プロカメラマンの小川義文さんから教えて頂きました。

 

女優さんを撮る時、一番苦労することは、どのアングルで、どの光をあてるかという技術的なことでなく、まず女優さんが撮られようという気持ちになるかどうか、らしいです。

 

女優さんはモデルではないので、撮られるプロではありません。カメラマンと協力して作品を作ろうという気持ちはあまりないらしいです。

 

まず、「あなたは私をとるにふさわしい人なの?」とカメラマンの品定めから始まるようです。

 

カメラマンはそのたたずまい、品格、コミュニケーション力などを見極められます。

もし、自分にふさわしくないカメラマンなら、すべてをさらけ出さないで出し惜しみすることもある。そういう厳しさがあるようです。

 

小川さんがまだ若かった頃。ミュージシャンのユーミンの写真集を担当することになりました。一緒にフランスまで行き撮影することになったそうです。

 

そこで大きな試練に遭遇します。

 

ユーミンとコミュニケーションがうまくいかず、5日間シャッターを切れなかったそうです。

どうなるかと不安が押し寄せるときに、ふとしたことがきっかけで、少し心が通う瞬間が訪れたのです。

 

それからは、一気に撮影が進み、ロケは無事に終わったのです。

いやー、最初は生きた心地がしなかったでしょうね!

 

小川さんは振り返ります。

「やはり、人物を撮る時はその人との気持ちの通じ合いが何より。コミュニケーションが大切なのです」

 

自分事として考えてみると、研修をする際、最初、受講者の方から「こいつは何ものか?自分が学ぶに値するやつか?」という目で見られます。

 

この研修の目的はこうで、皆さんにこんなことを気付いてほしい、こうなってほしい、そのためにこういう内容のことを提供するなど思いをぶつけます。いままでの受講者から良い評価をいただいてきた、等を伝えるうちに、では受けても良いかと、講師と受講者の間に信頼関係ができます。

 

心理学的にはラポールが構築されたと言います。

 

写真の撮影も研修も、まずは人と人との信頼関係の構築が出来るかどうかが、後の成功につながることなのだなー、と大切なことはどの分野でも同じなのだと教えられました。

 

 

小川さん、有難うございました。